
「動く教科書」をつくりたい。
- STUDIO AYAKO

- 5 日前
- 読了時間: 4分
更新日:1 日前
STUDIO AYAKOを始めた5年前から、初めてお越しくださるお客様の姿勢や動きを、写真や動画に残してきました。
初めてお会いした日の身体は、
その日、その瞬間にしか残せないものだからです。
身体についての知識が入ったり、動き方を知ったりすると、人は無意識のうちに姿勢や動きを変えていきます。
だから私は、まだ何も意識していない、真っさらな状態の身体を残しておきたいと思っていました。
それは、
今の身体を否定するためではありません。
これから変わっていく過程を、いつかご本人と一緒に振り返るための、始まりの記録です。
初めてお会いし、身体を動かした時から、私の中には、
その方がこれから変わっていく姿が、自然と浮かびます。
だからこそ、変わる前の大切な瞬間を残しておきたいと思ってきました。
自分の姿を見ることは、簡単ではない
私自身も、自分の姿を見ることは得意ではありません。
もともと自分の身体にコンプレックスがあり、その気持ちが、
「身体をもっと知りたい」
「より良く動けるようになりたい」
という探究心につながってきたように思います。
妊娠・出産は、指導者としてもう一段深くお客様を理解するための、大きな経験になると思っていました。
実際に、自分の身体が大きく変化することや、思うように動けない時間を経験したことで、身体と向き合う難しさを以前より深く感じるようになりました。
だから、動画を見たくない気持ちや、映っている自分をすぐには受け入れられない気持ちも、よく分かります。
それでも、自分の動きを動画で確認したからこそ、初めて気づけたこともたくさんありました。
感覚だけでは分からなかった身体の癖。
自分ではできていないと思っていたけれど、実際にはできていたこと。
目で見ることは、自分の身体を知るための大切なきっかけになると感じています。
小さな変化を残す
動画に残しているのは、初回の姿だけではありません。
毎回のセッションの中に、その方にとっての小さな変化があります。
前より少し力まずに動けた時。
今まで届かなかった位置まで動けた時。
身体のつながりが生まれた時。

ご本人にはまだ分からないほどの変化でも、私には大きな進歩に見える瞬間があります。
その瞬間に立ち会えることを、私はとても幸せに感じています。
今すぐには分からなくても、身体についての知識や、見る目が少しずつ育った時に、過去の動画を見返して、
自分は、こんなところも変わっていたんだ。
と、ご自身で気づいてもらえたら嬉しい。
私が育てたいのは、身体だけではなく、
自分の身体の変化に、自分で気づける力。
だから、その都度、残せる範囲で動きを記録しています。
記録より、目の前の身体を優先する
ただし、動画を残すことがセッションの目的ではありません。
お客様が自分だけでは取れないポジションに入るために、私の補助が必要なことがあります。
身体を支えることで、使いたい場所を感じられたり、より深く伸びたり、一つ先の姿勢まで進めたりすることがあります。
その時は、動画を撮ることよりも、目の前のお客様の身体に手を添えることを選びます。
記録よりも、目の前の身体を優先する。
残すことよりも、その瞬間に必要な手を届ける。
動画を撮るために、必要な補助をしないということはしたくありません。
セッションを一番に考えたうえで、意味のある瞬間を丁寧に残しています。
お客様とつくる「動く教科書」
私自身、この考えにたどり着くまでには、たくさんの迷いがありました。
セッションを大切にしたい気持ちと、その日の変化を残したい気持ちの間で、どうしたらいいのだろうと考え続けてきました。
その都度、動画をお届けできなかったこともあります。
けれど今、5年前から続けてきたことや、頭の中にあった思いが、少しずつ一つにつながってきました。
私がつくりたいのは、
身体の動きを通して、
自分の身体への理解を深められる
「動く教科書」。
きれいに動ける人だけを見せたいわけでも、大きな変化を競いたいわけでもありません。
年齢も、身体の状態も、目標も、動き方も、 一人ひとり違います。

さまざまな身体や動きを見ることが、誰かにとって自分の身体を知るきっかけになると思っています。
そして、この「動く教科書」は、私一人ではつくることができません。
動画撮影や掲載についてお話しすると、
「載せても大丈夫ですよ」
「ぜひ使ってください」
と、快く協力してくださるお客様がたくさんいます。
お客様は、ただ動画に映る人ではなく、一緒に「動く教科書」を育ててくださる存在です。
一つの動きが、誰かの気づきになる。誰かの変化が、また別の誰かが自分の身体を知るきっかけになる。
ご協力くださっている皆さま、本当にありがとうございます。
これからも、目の前のお客様の身体を一番に考えながら、一つひとつの動きを丁寧に残していきたいと思います。

地味に効く。
だから、変わる。
その積み重ねを、
これからも大切にしていきたいと思います。


